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地球のかけら

【第57回】緑柱石

2009年11月 1日

緑柱石(りょくちゅうせき)ですよ! 緑柱石。

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※画像はウィキペディアより
 

第18回(すぐに見ちゃヤだよ)でちょっとだけ紹介しているんだけど、どんな石だったか憶えてる?
結晶が緑色をした柱状の石ってことで、見た目そのまんまが日本名になっている。
 

見た目そのまんまが名前になっているってことは、ものすごく古くから知られていた証拠。
古代エジプト・プトレマイオス朝の女王様が愛し抜いていたといわれているくらいだから、
宝石としてはダイヤモンドやルビーよりよっぽど古い。世界最古の宝石、それが緑柱石なのだ。
 

で、その女王様とは誰なのか。


そう、いわずと知れたクレオパトラ。古代エジプト最後の女王クレオパトラ7世。


クレオパトラといえばエメラルド、エメラルドといえばクレオパトラなのです。
というわけで緑柱石とはエメラルドのこと。エメラルドの結晶を見て
そのままつけた名前が緑柱石だったのです。

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※画像はウィキペディアより


 

エメラルドはクレオパトラが愛して愛して愛し抜いたといわれている宝石。
エメラルドを採掘するために自分専用の鉱山を持っていたという伝説も
あるくらいクレオパトラとは切っても切り離せない。

だからエメラルドは宝石の女王と呼ばれているんだね。


しかも、伝説は伝説でなかった。

そのクレオパトラ鉱山跡が数年前に見つかったのです。

今では地中海沿岸の遺跡から発見されるエメラルドのほとんどが
この鉱山から採掘されたものと考えられています。



世界三大美女のひとりクレオパトラ。


エメラルドを身につければ、また一歩、世界三大美女に近づけるかも。 


さて、そのエメラルド。現在もっとも美しいといわれているものはコロンビアのムゾー鉱山から採掘されたもの。


ムゾー イコール 一級品 、一級品 イコール ムゾー。


これがもう固定されてしまっている。
コロンビア産ではなく「コロンビアのムゾー鉱山産」であることがポイント。

ところで、ダイヤモンドには世界的なシンジケートが存在していて、そのせいで価格が安定しているんだけど、コロンビア産のエメラルドにもそれが存在している。

もちろんコロンビアですからね。エメラルドと命どっちが大切? っていうシンジケートらしいですけど。
そのエメラルドシンジケートを描いた興味深い映画があるんですよ。

エメラルドカウボーイ  機会があったらぜひ。 お勧めです。


話を戻して。

エメラルドは鉱物的にはベリルという石のグループに属している。
無色透明、六方晶系に分類される六角柱状の結晶。
科学的なところで、原子番号4番のベリリウムはこのベリルから初めて発見されたことでその名前がついた。
「スイヘーリーベ」の「ベ」のところね。

gosh1wiki.jpg
※画像はウィキペディアより
 

本来、無色のベリルにクロム、もしくはバナジウムが入り込み緑に発色したものがエメラルド。

eme1wiki.jpg eme2wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

 

このエメラルド独特の緑にはホントにウットリする。


エメラルドは買おうと思ったら本当に高い。
ヘタをするとダイヤモンドなんて目じゃないくらい高いから、なかなか宝石として買うことなんてできない。
でも、原石ならばグッと身近になる。もちろん高いことは高いけど、宝石に比べれば高品質のものが遙かに安く手に入る。
石好きならば原石でもつこともアリだと思うよ。
「んー、これがカットされたらン百万になるのか」なんて思うのは野暮だけどね。思っちゃうけどね。

eme7.jpg
 

それからエメラルドはあまりの美しさから合成品もたくさん造られている。
いくらエメラルドとはいっても合成品はちょっと遠慮したいよね。

そこで、天然と合成の簡単な見分け方を知っておくといいよ。


最も簡単な見分け方として、合成品にはひとつ特徴がある。

それは、キレイ過ぎるということ。 


合成品は合成なんだからきわめて純粋なエメラルド。
そこが見分けるポイント。

天然物は天然であるがゆえに、クラックや内包物などインクルージョンがたくさん入っている。
他の石に比べてもエメラルドはとくに多い。

それが天然の証。

ring-eme.jpg

この写真はカミさんの母上のエメラルドリング。ちょっと光の関係で色が飛んじゃっているけど、
たくさんのクラックが見えると思う。

もちろん購入したときはこんなにクラックはなかったって母上はいっている。
でもそれはクラックを隠したり結晶の強度を高めるために、樹脂やオイルを
しみ込ませる浸含処理(しんがんしょり)が施されていたから。


すでに何十年も経っているためそれらが蒸発してボロボロっていえば
ボロボロなんだけど、エメラルドはこのくらいのキズがあって当たり前と思っていてもいいかもしれない。


でも、はじめからこんなにキズだらけじゃ誰も買ってくれないよね。
それではエメラルドにとっても不幸なことこの上ない。


だから今でも宝石店で売られているエメラルドは必ず浸含処理というお化粧が施されている。
ある意味、エメラルドの素顔は原石でしか見られないってことかな。 


エメラルドも石によって色合いが全部違う。
たくさんの石を見てぜひ自分専用のエメラルドを見つけてください。


古代ローマでは、目が疲れたりするとエメラルドをじっと見つめて疲れを癒していたそうだ。
自然の森や緑を見ると誰もが心癒されるように、緑にはそのような力があるのだろう。
エメラルドにもきっと同じ力があるにちがいない。

 

 

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エメラルド以外のベリルは次のとおり。
石選びの参考にしてね。

・モルガナイト
 ピンクのベリル。色の原因はマンガン。
 そのパステル系の色がとってもかわいい。

morgawiki.jpg
※画像はウィキペディアより


・へリオドール
 黄色のベリル。色の原因は鉄。
 黄色が濃くなるとゴールデンベリルと呼び名が変わる。

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※画像はウィキペディアより


・アクアマリン
 水色のベリル。色の原因は鉄。
 エメラルドと並び宝石としてカットされている。
 発色原因がヘリオドールと同じ鉄なのに、なぜ黄色になったり水色になったりするのだろう。

aquawiki.jpg


・レッドベリル
 真っ赤なベリル。色の原因はマンガン。
 一時期、レッドエメラルドとして宝石店に並んでいたことがある。
 でもレッドエメラルドじゃねえ、言葉的に「赤緑」だからねえ。レッドベリルで正解。
 ビクスバイトと呼ばれることもあるけれど、レッドベリルの方が一般的。

redwiki.jpg
※画像はウィキペディアより


・ゴシュナイト
 無色のベリル。
 無色ですら名前がついている。だからベリルという名前がなかなかメジャーにならないんだ。

gosh2wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

エメラルドをはじめ、モルガナイト、ヘリオドール、アクアマリン、レッドベリル、ゴシュナイトはすべて宝石名。だから正式名称ではない。
正式名称はすべてベリル。日本では緑柱石。
 

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