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エレスチャルとスケルトン

2012年2月 1日

 最近やけに人気のあるエレスチャルとスケルトン。

どちらもとってもステキな水晶なんだけれど、ちょっとまって。
実は私、いったいなにをもってエレスチャルというのか、スケルトンというのか、よくわからないのです。
 
例えば。
「英名:エレスチャル、日本名:骸骨水晶」
「エレスチャルの一種であり、水晶の最終形態である」
 
と、こう紹介されていることが非常に多いのですが、これ意味がわからない。
 
まず、名称。
「エレスチャル」という名前はあくまでもパワーストーン名であるということ。
まあ、これはいいでしょう。
 
しかし、「骸骨水晶(がいこつすいしょう)」または「骸晶(がいしょう)」、
これは鉱物用語としてしっかり存在しているのです。
 
骸骨水晶と骸晶は同じものだけれど、どちらかというと骸晶の方が鉱物としては一般的かな。
 
それで、鉱物用語として存在しているということは水晶の特殊な形態の
ひとつとして研究されているということになる。
そして、この骸晶こそが英名でスケルトン。
 
ところが、この骸晶(スケルトン)として紹介されているエレスチャルを見ても、
とても骸晶に見えないものが多いのですよ。
 
しかもエレスチャルと紹介されている水晶もイマイチそれが何かハッキリしていないように思える。
 
エレスチャルの一種で水晶の最終形態というのもわからない。
だから、あらためてこのふたつの定義を確認してみようと思ったのです。
 
 
そこでまず、エレスチャルってなに? ってことから。
 
何年か前にスーパーセブンっていう水晶が流行ったことがあったでしょう。
紫と煙が混じった水晶に数種類のインクルージョン(内包物)が入った水晶。
あくまで聞いた話なんだけれど、そのスーパーセブンは
もともとエレスチャルって呼ばれていたらしい。
 
しかし、セブンといっておきながらインクルージョンが2種類ほどしか
入ってなかったりすることも多く、「ぜんぜんセブンじゃないじゃん」って苦情が多かったそうだ。
そういうことがあって、現在スーパーセブンという名称がなくなり、エレスチャルに一本化されたという感じかな。
 
しかし、「どういうものをエレスチャルというのか」という定義はハッキリしていない。
もちろん、スーパーセブンと呼ばれていたときもあるのだから、
そのスーパーセブンが持っていた特徴をある程度持っていないとエレスチャルとは呼ばないそうだ。
 
まず、色としては、無色、煙、紫の全部、またはいずれかであること。
インクルージョンはレピドクロサイト、ゲーサイト、ヘマタイト、カコクセナイトの全部、
またはいずれかが入っていること。
 
現在、この条件に該当するものがエレスチャルと呼ばれているそうだ。
 
 
ところが!
 
そうじゃない! あくまでもエレスチャルはその形につけられた名称なのだ、
と紹介しているところもあるのです。
以前よく見かけたジャカレーとかアリゲーターがそれ。
どちらもゴツゴツした水晶で、こちらはあくまでも形が優先。
それらこそが本来のエレスチャルなのだそうだ。
 
この説が本当ならば同じゴツゴツした印象のスケルトンがエレスチャル
としてひとくくりにされているのも何となくわかる。
 
そして、その後、紫や煙など色が付き、さらにインクルージョンのある
エレスチャルが産出し、それが爆発的な人気になった。
そのため「色付きインクルージョン有り」が一人歩きし、それこそがエレスチャルで
あると勘違いされて現在に至っているということだった。
 
んー、なるほど。
これならまったくの無色でインクルージョンなしのエレスチャルが売られているのも理解できる。
 
以上、エレスチャルというものが何なのか、おぼろげに見えてきたような気がしないでもない。
しかし、「これがエレスチャルだ」といいきれるものがないこともわかる。
 
これは私たちひとりひとりが独自に「エレスチャルはこういうものだ」と考えるしかないんじゃないかな。
 
結論
エレスチャルは個人によって認識が異なる。
 
と、まあ、これでいいのではないでしょうか。
 
 
つづいて、スケルトン。
辞書には「骸骨」「骨格」と書いてある。
エレスチャルはパワーストーン名だけれど、スケルトンは鉱物名。
だから、なにをもってスケルトンとするかという定義もハッキリしている。
 
そこでまず、スケルトンの見た目上の特徴として、「凹んでいる」というものがあるのです。
 
あ、いや、凹んでいるだけなら、どの水晶も凹凸は有るわけだから
珍しくも何ともないんだけれど、スケルトンはなんと結晶面が凹んでいるのです。
 
本来は面だから平らでフルフラットであるはずの結晶面が、
まるで巨大な露天掘りのダイヤモンド鉱山のように階段状に結晶面の中央部に向かって凹んでいる。
 
m.jpg
 
そしてそれがモノによっては結晶面全面に起こっている場合もある。
 
これがスケルトンの最大の特徴であり、スケルトンが一般的な水晶と
区別されスケルトンと呼ばれる所以なのです。
 
それで、何が違うかというと、出来るときの条件が違う。
難しいところをはしょって、なるべくシンプルに書いてみますね。
 
地下深くのある場所に水晶の元になる二酸化珪素が十分含まれていると
結晶して水晶になる。これが一般的な水晶の出来方。
ところが、もしそこに十分以上(過飽和)の二酸化珪素があった場合、
水晶はちょっと変わった育ち方をする。
 
まず、水晶の輪郭部分が異常に早く成長する。
 
crys.jpg
 
写真は水晶の結晶図。
水晶の絵を描くときにはこの図のように輪郭を描くよね。
その輪郭の部分が異常に早く成長するのです。
その輪郭の成長に結晶面が追いつかない。
結果、結晶面が凹んでしまう。
さらに、まったく成長が追いつかない場合、凹みはどんどん深くなり、
まるで結晶の奥深くに続く洞窟のようになってしまうのだ。
 
こうして出来た水晶がスケルトン。
 
輪郭とは書いたけれども、「骨格ばかりが成長した水晶」と考えれば間違いない。
そしてこれがスケルトンの定義。
 
scel22.jpg
簡単な図を描いてみるとこんな感じ。
希にだけれど売っているのを見かけたことがある。
いい、希にだよ。
 
 
 
以上のように考えてみるとスケルトンが水晶の最終形態というのも変な話だと思う。
水晶はあくまでも先に紹介した結晶図が水晶。
スケルトンだって、自然のものだから複雑な形をしているけれど、
この結晶図からはみ出したりしていない。

また、異常に早く育った結果なのだから一般的な水晶に比べて、
遙かに長い時間をかけて成長したわけでもない。
 
それに私の考えなんだけれど、地中にいる限り水晶は地殻変動や熱の
影響を受けて変化し続けていると思うんだ。
だからそもそも最終形態なんてない。
強いて最終形態というのならば、地中から掘りだした時点ですべての水晶が
最終形態といえるんじゃないだろうかと思っているよ。
 
 
でも、みなさん、ひとつひとつの水晶はそれぞれ一生懸命育ってきたと思うんだ。
もちろん好みはあってしかるべきだけれど、出来ることなら水晶に上下をつけるんじゃなくて、
みな同じように愛してもらえたら嬉しいなって思っています。
 
それにしても水晶、奥が深い!
 

 

【第83回】如意宝珠

2012年1月 1日

新年明けましておめでとうございます。
平成24年、辰年。
本年がみなさまにとって、より良い1年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。


さて、去年の話で申し訳ないんですが、12月に池袋のミネラルショーに行って来ました。
以前にも話したと思うんだけど、うちのカミさんはヘンテコな形をした水晶が大好きで、
今回もヘンテコリンなそれがないかと探しに行ったんです。

で、ありましたよ。
買ってきたのは3つだけど、それぞれ満足できるヘンテコさ。

83_10.jpg
83_13.jpg83_12.jpg83_11.jpg

どれもヘンテコな形をしてるでしょう。
 

いったいどうなったらこんな形になるんだろう。
それを想像するのがとっても楽しい。

そしてその中でもお気に入りがこれ。

83_11a.jpg
ホントになんでこんな形になるんだろう。
私たちは「龍の爪」って呼んでます。
それっぽく見えるでしょ。

で、それで龍の爪。ここで今年の干支の辰と繋がるんだけど、
龍ってその手に丸い玉を持っているよね。

83_kd1.jpg

これね。
83_kd2.jpg

この玉ってなんだろう、なにで出来ているんだろうって思ったことない?
私も詳しくは知らなかったのだけれど、あの玉は如意宝珠(にょいほうじゅ)と
いってサンスクリット語で「意のままに様々な願いをかなえる宝の珠」という意味。

でも、その如意宝珠、もともとは龍が持っていたものではなく、
インドのヘビ神が持っていたもの。
それが古代中国に伝えられたときに、ヘビ神を龍と訳したことによって、
龍と如意宝珠が結びついた。
だから地域によっては如意宝珠を持っていない龍も多くある。

ただし、この如意宝珠が何で出来ているかはわからない。
まあ、神の持つ宝が具体的な何かで出来ていると考えること自体が
意味のないことだといえるから、わからなくていいんだけどね。

それでもあえて考えるなら、「気の力」とか「人の心」とか、それら超自然的なもの。
それが具現化したものが如意宝珠なのだろう。

もちろん「意のままに様々な願いをかなえる宝」とはいえ、7
つ集めるために冒険をする必要はないよ。

もともと神の持ち物なんだから、人間がどうこうできるものじゃない。
人間は届かないと思いつつも、信じてお願いするしかないんだよ。 


話は変わって、アジア全域で信仰の対象になっている龍なんだけれど、
爪が5本のもの、4本のもの、3本のものと3種類あるんだよ。

中国の龍
83_d1_wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

アジアの龍
83_d2_wiki.jpg
※画像はウィキペディアより



日本の龍
83_d3_wiki.jpg
※画像はウィキペディアより


このなかで、最高位である5本爪の龍を使うことが出来たのは
古代中国の皇帝だけだったそうだ。

遥か昔、アジアは「古代中国こそが世界の中心」という中華思想というものに
支配されていて、中国から遠く離れるほど「野蛮な土地」とされていたんだ。
実際、周辺国のほとんどが中国の支配下にあって、日本もその中に入っていた。

最高位である5本爪の龍が使えない周辺の国は4本爪の龍を使い、
さらに周辺の国になってしまう日本は4本爪も使えず3本爪の龍を使った。
そのような歴史があって、現在でも日本で描かれる龍は3本爪なのだそうだ。 
 
ところが鎌倉にある建長寺(けんちょうじ)に描かれている龍にはなんと5本の爪がある。

83_kd3.jpg

最初に見てもらったこの写真。
これが建長寺の龍。

これが描かれた当時、本当ならば中国皇帝の逆鱗に触れ
とんでもないことになっていてもおかしくない。
でも日本は約1400年前、聖徳太子の時代に中華思想から抜け出し、
アジアでは唯一といっていい独立国になっている。

「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。つつがなきや」

というやつね。
だからこそ、中国皇帝と同等のことが出来たのだと思う。

ほとんどの国が20世紀初頭まで中華思想から抜け出せなかったことを
考えても、なんだかんだいって日本って大した国なんだと思うな。
辰年だからこそ龍から日本の歴史をひもといてみるのも興味深くて楽しそうだよ。


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2012年といえばマヤ予言終末の年でしたっけ?
なんかさ、去年とか一昨年に映画とかでもさんざん煽っちゃったせいで、
いざ2012年になってみると「あれ? まだ2012年になってなかったんだっけ?」
なんて拍子抜けしてる人もいたりして。

でさ、2012年の予言ってたぶん外れるよね。
だってさ、なぜなら次の終末予言が2020年に控えているんだから。
「次の」って、なにそれって思うけど、「インド暦によると2020年3月20日が
人類の危機の日であり、マヤ暦も計算し直すとこの日と一致する」んだってさ。


しかも、2020年が外れても、さらに2030年滅亡説が控えているからね。
(こっちは聖徳太子の予言なんだそうだ)


終末思想というものは世界が続く限り尽きぬもの。
しかし、そんなものに惑わされず、地に足をつけて一歩一歩しっかり生活していきましょう。
今の日本、それが一番大切なことだと思います。

【第82回】トルマリン

2011年12月 1日

16a.jpg

 

 
もうすぐクリスマスですね。みなさんはどう過ごされますか。
もう予定は入っていますか。
どなたにとってもステキなクリスマスになるといいですね。
 
さて、クリスマスなのでクリスマスカラーの石をご用意いたしました。
イタリアの国旗じゃないよ。
 
ひとつの石の中に2つの色を持つバイカラーの石は数あれど、
この石ほどそれが当たり前みたいになっている。そんな石は他にありません。
 
その石とはもちろん、トルマリン!
 
しかし、ただのトルマリンじゃないよ。
トルマリンの中でももっとも希少でもっとも美しい
エルバイト(リチア電気石:リチアでんきいし)なのですよ。
 
一般的に広く普及しているけれど、基本的にトルマリンという名称は
宝石名で鉱物名としてトルマリンという名称はないのだ。
トルマリンとしかいわないと真っ黒けのショール(鉄電気石:てつでんきいし)も
含まれちゃうから、あくまでもエルバイト。
エルバイトといえばもう、色とりどりの宝石としてのトルマリンしか指さないのです。
ま、でもトルマリンの方が名前が売れているからトルマリンでいくけどね。
 
トルマリンについて詳しいことは第27回で書いているので、そちらを見ていただくことにして、
今回はクリスマスとともに、この色とりどりのトルマリンを楽しんでもらいたいと思います。
 
 82_02a.jpg82_33a.jpg82_41a.jpg82_47a.jpg
 
 
まずはトルマリンに一番多いと思われる緑。
宝石名としてヴェルデライトという名前がついている。
 
82_14a.jpg82_39a.jpg82_43a.jpg82_46a.jpg
 
 
2番目はたぶんこれ。オレンジというかピンクというか赤。
これの宝石名は有名、ルーベライト。
 
そして、なんといってもこの2色をあわせたバイカラーがトルマリンの真骨頂。
 
82_03a.jpg82_06a.jpg82_36a.jpg82_40a.jpg
 
どうだ! この美しさ。
私は初めてこのバイカラーを見たとき思いっきり感動したぞ。
なぜこんなに色がハッキリクッキリ分かれているのか、その原因は
今でもよくわかっていないらしいのだが、なんだかそれも含めてスゴイではないか。
 
今回はクリスマスカラーということで、緑と赤と思っていたのだけれど、
調べてみるとバイカラーって緑と赤のクリスマスカラーがほとんど。
なかなか他の色がないんだよね。あんまり気にしていなかったことだけに意外でした。
 
82_52a.jpg
 
ここまでハッキリした青はちょっと珍しいと思う。
 
 
そして、パーティカラーといって3色のものもある。
82_45a.jpg
 
パーティって「集まり」って意味だから、3色以上はみんなパーティカラーでいいみたい。
それにしてもこのトルマリン、黄色だよね。
原石ではちゃんと黄色ってあるんだね。見たことなかったなあ。 
 
 
そして忘れてはいけないトルマリンがウォーターメロン。
その名の通りスイカ。
スイカと同じ色を持ったトルマリンで結晶の外側が緑、内側が赤。
もちろん、結晶の状態では中が見えないからただの緑のトルマリン。
でも断面を見てみるとそのまんまスイカ。
82_60a.jpg
すごいよね、上下で分かれているだけじゃなく、内と外でも分かれているんだから。
ちなみに私は夕張メロンが一番好きです。
 
 
あと有名どころではインディゴライトとパライバ。
どちらも青なんだけど、パライバはネオンブルー。(私はネオングリーンをパライバとは認めないぞ)
 
82_62a.jpg63a.jpg
左がインディゴライトで右がパライバ。
上手く写真が撮れてないけど、なんとか微妙な色の違いを見て取ってください。
 
 
ところで、トルマリンってかなり最近になってつけられた名前だって知ってた?
もともといろんな色を持っていたこの石は、色ごとに全部違う石だと
考えられていてそれぞれに名前がついていたんだ。
 
ピンクはルーベライト、青はインディゴライトという感じで。

それが、18世紀になってぜんぶ同じ種類の石ってことがわかって、
あらためてトルマリンという名前がついた。
歴史的にはルーベライトとかインディゴライトという方が正しいんだけど、
宝石としては同じトルマリンということで、現在はピンクトルマリンとか
ブルートルマリンと色で呼ぶような方向になっているそうだ。
 
ちなみにエルバイトという名称は科学的な分類としての名称なので、
さらに最近になってつけられたもっとも新しい名前だよ。
 
 
七色の色を持つというトルマリン。
色目は写真のとおり。
 
82_61a.jpg
 
そしてやっぱり気になるのは、なぜこんなに色が多いのか、
なぜバイカラーとかのようにひとつの石の中に複数の色が存在するのかってことだよね。
トルマリンを構成している元素は8種類くらいあって化学式も凄く長いんだけど、
その中には色の原因になる元素は含まれていないんだ。

 
調べてみると、結晶中に、鉄・マンガン・チタン・クロム・バナジウム・銅、などが
若干含まれて色がついているらしい。
こんなふうに他の元素によって色がつくことを他色性(たしょくせい)というんだけど、
ルビーやサファイアも同じ理由。

 
で、結晶が出来るときにこれらが取り込まれるんだけれど、
せーので一斉に取り込まれるわけじゃない。
あくまでも私の想像だけど、元素によってイオンになる順番があるように、
結晶に取り込まれる順番があるんじゃないだろうか。
マンガンしかなければそれしか取り込めないけれど、チタンとクロムがあったら、
先にチタン、次にクロムという感じで決まっているのではないかな。
 
だからバイカラーも生まれればウォーターメロンも出来る。
 
もちろんこの考えは間違っているかもしれないけれど、こんな考えもアリかもねって思うんだ。
 
それでこのトルマリン。本当に色目が多い。
私も全部の色を見たことはないんだけれど、もし全部集められたら立派なコレクターだね。
 
 
それでは最後に新しいトルマリンをひとつ紹介しておきます。
 
それはリディコータイト(リディコート電気石:リディコートでんきいし)。
1977年にマダガスカルで発見されたばかりのトルマリン。
 
82_18a.jpg
 
初めはエルバイトだと思われていたのだけれど、研究が進みエルバイトとは
ちょっとだけ違う新しいトルマリンだということがわかった。
 
かなり希少で高価だけれど、よく探すと売っているから、他人とは違うものを
集めている人は要チェックだよ。
 
そうそう、クリスマスプレゼントはリディコータイトっていうのもアリかもね。
 

【第81回】銅

2011年11月 1日

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アズライト ※画像はウィキペディアより

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ブロシャンタイト ※画像はウィキペディアより

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ダイオプテース ※画像はウィキペディアより

81auri(wiki).jpg
オーリチャルサイト ※画像はウィキペディアより

81chalc(wiki).jpg
カルカンサイト ※画像はウィキペディアより

81cyano(wiki).jpg
シアノトリカイト ※画像はウィキペディアより


いきなり6つの石を並べてみましたが、これらに共通するものはなーんだ?

ヒント
色はすべて青もしくは緑。

これでピンときたかな。

よし、それならば日本名を書いてみよう。

アズライト     → 藍銅鉱(らんどうこう)
ブロシャンタイト  → ブロシャン銅鉱(ぶろしゃんどうこう)
ダイオプテース   → 翠銅鉱(すいどうこう)
オーリチャルサイト → 水亜鉛銅鉱(すいあえんどうこう)
カルカンサイト   → 胆礬(たんばん)
シアノトリカイト  → 青針銅鉱(せいしんどうこう)

どうかな。
これなら一目瞭然。
答えは銅。
そう、これら鉱物はすべて主成分が銅である、銅鉱物なのだ。

強いていうなら胆礬だけは銅の文字が入っていないけど、
中学の理科の実験で作った硫酸銅のことだよ。

というわけで写真を見てもわかるように、銅鉱物は基本的に緑、もしくは青い色がつく。
この緑という色がミソで基本的に銅鉱物は緑になることが多い。
緑の原因としては銅がイオンの形で結晶に取り込まれたときに緑に発色する。

中学か高校のときに理科の実験でやった炎色反応(えんしょくはんのう)って憶えてる?
それぞれの原子を燃やすとその原子特有の色を出して燃えるというヤツ。

81Cu(wiki).jpg
 ※画像はウィキペディアより

これが銅の炎色反応。
この緑が銅の持っている色だと思ってほしい。
だから石でも水溶液でもこの色をしていたら、とりあえず銅が含まれていると考えるといいと思う。

じゃあ、なぜ青もあるのかというと、んー、エネルギー準位の周波数が
若干の電子軌道のズレによって(スイマセン、このくらいでカンベンしてください)。
とかなんとかなのだそうだ。
 

そんな銅鉱物ですが、実はずっと前から紹介したかったんだ。
だって、キレイでしょ。
あらためて写真を見てください。
銅鉱物ってこんなにキレイなものもあったんだよ。

ほら、銅鉱物としての有名どころはキャルコパイライト(黄銅鉱:おうどうこう)
とかマラカイト(孔雀石:くじゃくいし)でしょ。
だから銅鉱物っていったら、どうしてもそれらのイメージで金属光沢だったり
光が透らなかったりすると思い込んでいたりする。

アズライトとダイオプテースは比較的名前が売れているけど、
この2つも銅鉱物だということを知らなかったという人は意外と多いんじゃないかな。


こんなに美しい結晶ならば、やっぱり欲しいところなんだけれど、
実はこれらの鉱物をまともな形のまま採集することは極めて難しい。

私たちが紫水晶を採集しによく行く産地に
石川県小松市の尾小屋鉱山という金属鉱山がある。
紫水晶は金属鉱山でたくさん見つかるからなんだけど、
日本は銅が豊富だから金属鉱山というと基本は銅鉱山。

だから山を歩いていると黄銅鉱や孔雀石がけっこう落ちている。
でも、その中に写真のような鉱物はほとんどない。
なぜなら、これらは2次鉱物がほとんどだから。

んー、銅鉱物を取りあげると、2次鉱物をさけてとおることは出来ないね。
2次鉱物とはいったんできあがった鉱物が地表に出て、
何年も風雨にさらされたり太陽の紫外線に焼かれたりしているうちに、
徐々に分子の構造が変わったり別の元素が追加されたりして違う鉱物に生まれ変わったもの。

写真の中では藍銅鉱、水亜鉛銅鉱、胆礬が2次鉱物になるかな。
しかも、それらがさらに変化して孔雀石になったりする。
 
ということは山の表面に出ないと作られることはないのだから、
どんどん分解していくばかりで形をとどめておくことがむずかしい。
せいぜい孔雀石を拾い上げて「何年か前は藍銅鉱だったかもしれないね」と、
思いを馳せることしかできない。

胆礬なんて、坑道の天井に鍾乳石のようにぶら下がっているっていうんだから、
そんなの危なくて採集なんてできません。

とはいえ、とにかく日本は銅鉱山が多いから、
いつかきっと大きな結晶を見つけられるかもしれないという希望だけは持っています。


ところで、話は変わるんですが、秋、だいたい9月から11月いっぱいくらいは
鉱物採集ってイマイチ出来ないんですよね。

理由は単純で、ちょうど松茸シーズンだから。
あちこちの山が松茸山として入山禁止になってしまう。
ムリして入って松茸泥棒に間違えられたくないし。

ところが、最近はムリして入って地権者の人とトラブルを起こす人が増えているそうなんですよ。
いくら鉱物採集で松茸とは関係ないといっても、それは通らない。

「李下に冠を正さず」。
怪しまれる行動を慎むのもマナーのひとつです。

【第80回】雲母

2011年10月 1日

例えば山の中で水晶を探すとき、何を目印に水晶を見つけるかというと、
それは結晶面が反射する光なのだ。


日の光が上手い具合に当たるとそこがキラッと光り、水晶が自分の存在を主張してくれる。
もちろん、結晶はあちこちを向いているから、顔を横にスーッと動かしてみると、
その動きにあわせ斜面がキラキラキラッと輝く。

だから、雨上がりの晴れた日はサイコー。


昼間であるにもかかわらず、それはまるで星空の上に立っているような錯覚を覚えてしまう。

ところが、キラッと光ったそこへ駆け寄って探してみても、
水晶がいっこうに見つからないときがある。

あれっ? と思い元の場所に戻って再度確認すると、ちゃんと光っている。
でも、探すとない。

実はこんなときの方が多かったりするのだけれど、
水晶がないかわりに何がいるのかというと、そこには往々にして雲母がいたりする。


はい。今回のテーマは雲母(うんも:マイカ)です。


雲母は私たち鉱物採集家にとって、どちらかというとガッカリされてしまう鉱物。
世界中どこにでもあって、しかもたくさんあって、ペラペラで光をおもいっきり反射して
目的の鉱物を私たちの目から隠してしまう。

「なんだ、雲母かよ」っていうのが、ついつい出てしまう私たちの言葉。
 
とはいえ雲母が大好きで、たくさん集めている人もいる。
そういう人は語るよ。もう、語る語る。
例えば、「雲母は奥が深いよ。種類だって50種類以上もあって○△□……」。
その先は憶えていないんだけどね。



でも、身近であることは事実で、幼い頃に初めて接した鉱物が
雲母だったって人も多いんじゃないかな。
私も子供の頃、雲母で遊んだ憶えがあるし、ウチのカミさんもそう。

なんでも、家の裏に雲母を扱う工場があったそうで、その工場の裏庭に
落ちていた雲母をペリペリ剥がして遊んだそうだ。

さて、ちょっとここで雲母の特徴と性質について。

雲母の単結晶を正面から見ると、基本的には正六角形をしている。
基本色は無色透明。
種類によって白っぽかったり、金色っぽかったり、黒っぽかったりしている。
その違いで白雲母、金雲母、黒雲母などと呼ばれている。

80_mica01wiki.jpg
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80_mica03wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

石好きにとってもっともメジャーな雲母はレピドライト(リチア雲母)かな。
これはピンクでカワイイよね。


それから、日本で発見された益富雲母(ますとみうんも)というのもあって、
これは紫がかっていてキレイ。
この益富雲母はかなりレアだから、ちょっと欲しいなって思っている。


話は戻って結晶の形。
正面から見ると正六角形なのは鉱物としてはよくある形なのだけれど、問題はその厚さ。
なんと、分子が一列に並んで結晶になったら、その一列分しか厚さがない。
分子ひとつの大きさが結晶の厚さ。


えっと、0.000000001メートルくらいかな。
よくわかんないんだけど、1ミリの1000分の1の、1000分の1。
ま、とにかく正面からは見えるけど、薄すぎて横からはまったく見えないよね。

だいたい1センチの厚さの雲母があれば、そこには約1000万枚の
雲母が重なっていることになる。
そしてその重なりは簡単に剥がすことが出来る。
それはもう簡単にペリペリと。

だから雲母には「千枚剥がし」という別名もあるんだけれど、
この場合の千枚とは具体的に1000枚という意味ではなくて、
「そりゃもう死ぬほどたくさん」という意味だと思う。

そのくらい薄い雲母は石であるにもかかわらず、
ある程度の厚みがあってもグニャグニャ曲がる。
グニャグニャ曲がって簡単に剥がれるんだけれど、
その逆方向、結晶を縦に裂こうとしたらこれはもう極めて強い力がいる。

80_mica06wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

先端についている結晶はアパタイト。
スジのたくさん入っている鉱物が雲母。
このスジに沿ってならば簡単に裂けるけれど、それ以外の方向で
裂こうとするのはほぼ不可能。

いやーホント、雲母って不思議な鉱物だ。石であるにもかかわらず、
割るという概念が当てはまらない。


そうそう、カミさんが工場の裏庭に落ちていた雲母で遊んでいたという話は
前述したのだけれど、その工場では雲母を何に使っていたのだろうか。


もちろんカミさんが憶えているわけもないし、その工場も今はないから知るすべもない。
しかし、ここで重要なことは雲母は工業的に使われているということだ。

ここで雲母の性質なのだけれど、まず雲母には非常に強い耐熱性がある。
中学校や高校のときに教室で石油ストーブを使っていた人はいるかな。
最近はエアコンが多いから知らない人も多いと思うけど、
お腹くらいまでの高さがあって円筒形で煙突のあるあれ。


あのストーブって、火をつけると炎の見える窓がついているでしょ。 

あの窓が雲母なのですよ。

けっしてガラスではない。もしガラスだったら簡単に溶けている。
雲母でなければあの熱に耐えることが出来ないのだ。

それから、電気を通さない性質もあり絶縁体としても使われている。
とくに電気をためるコンデンサというものには絶対に必要なものらしい。
コンデンサといえば電化製品になくてはならない必需品。
私たちの快適な生活に雲母は欠かせないということだね。
 
さらに自動車の塗料にも使われているし、お化粧品にも使われている。
ファンデーションのキラキラしているところなんかが雲母だからね。
 

雲母って本当に私たちの生活の奥深くに入り込んでいるということがよくわかる。
きっと、まだまだ私の知らないところで雲母は重要な役割を果たしているに違いない。

ところが、そのような役割を果たしていたのは工業製品だけではなかった。
日本の文化伝統にも大きな役割を果たしていた。



大和言葉で「きらら」もしくは「きら」という雲母だけれど、
ほら、忠臣蔵で有名な吉良上野介(きらこうずけのすけ)の姓は「吉良(きら)」なんですよ。

なぜ吉良なのかというと、吉良氏は古くから大きな雲母鉱山を所有していたことから
来ているそうで、雲母(きら)という音に縁起の良い字を当てて吉良にしたと記録に残っている。

そして吉良氏の所有する鉱山から産出した雲母は茶道・華道と並ぶ
もうひとつの芸道である香道(こうどう)で使われていた。

香道なんて平安貴族のたしなみのようなことにはまったく縁がないのでwikiで調べてみた。

香道とは、香りを楽しみ、日常を離れた集中と静寂の世界に遊ぶことを
目的とした芸道で、一定の作法のもとに香木を?(た)き、
立ち上る香りを鑑賞するものである
。」
のだそうだ。

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平安と紫といえば、もうこの絵しかないでしょう。

香炉で香木を?くとき、灰の中に炭を入れさらに灰をかぶせ、
その上に小さく切った香木をのせるのだけれど、直接のせてしまったのでは
香木が燃えてしまい煙の臭いしかしなくなる。
香木を燃やさずに熱を加えなければ香りを聞くことはできない。

そこで熱に強い雲母が必要になる。
雲母の結晶を小さく板状に切り、灰をかぶせた炭の上に置く。
その上に香木をのせ香りを発散させる。

この雲母の板は銀葉(ぎんよう)と呼ばれ、もちろん現在の香道でも使われている。


んー、雲母って鉱物として語るより文化として語る方がその存在が際立つなあ。
もしかすると、これまで雲母が鉱物だと知らなかった人もいるかもしれない。
また、鉱物であることは知っていたけれど、こんなに私たちの生活に
関わっているとは思わなかったという人も。

カワイイとかキレイだとかを基準に見ている鉱物も、雲母の存在を
知ることによってその見方が変わってきたりしてくれたなら、私としてはちょっと嬉しいな。 

 

 

【第79回】青い水晶

2011年9月 1日

暑さ寒さも彼岸までとは申しますが、まだまだ暑い日は続きそうですね。
そこで、この残暑を乗り切るために今日は青い石のご紹介です。

青い石とくればあれやこれやたくさんありますが、ここはひとつ身近であるにもかかわらず、けっこうレアな石ということで青い水晶というのはいかがでしょう。
青水晶はもとから青い石というわけではなく、青くなった水晶。
紫、黒、黄は数あれど青は意外と少ないのです。
みなさん、青水晶を愛でて気持ちから涼しくしていこうではありませんか。 

その1
インディゴライト・イン・クオーツ
もっともメジャーな青水晶。
インディゴライトの結晶が無数に入り込むことによって青くなっている。
ものによっては針のように何本も入ったインディゴライトを確認できるけど、まったく目に見えないくらい小さなサイズの結晶が入ることもある。
その場合は均一な青。インディゴライトの青がそのままその水晶の青になる。
どちらがいいかというと、これは好みの分かれるところ。
私はどちらかというと結晶が見える方が好き。

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※画像はウィキペディアより

写真はインディゴライト・イン・クオーツではなく、インディゴライトそのもの。
ちょうどいい写真がなかったもので、ゴメンナサイ。
この色で水晶になる。スバラシイ!

注)インディゴライトは青いトルマリンの宝石名。
ところが、トルマリンも宝石名で鉱物名はエルバイト(リチア電気石:リチアでんきいし)


その2
クロシドライト・イン・クオーツ
ホークスアイのあの青がクロシドライトの青だよ。
リーベック閃石(リーベックせんせき:リーベッカイト)の青くなったものがそれで、日本名は青石綿(あおいしわた)。一般的な名称はアスベスト。
だから繊維状で一方向に並んで水晶の中にいることが多い。

現在は使われていないけど、アスベストって過去に断熱材として、壁とかにたくさん使用されていた鉱物。
細かい繊維が飛び散って危ないって問題になったけれど、水晶の中に入っていれば飛び散ることはないから安全。

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※画像はウィキペディアより


ビミョーに正確ではないのだけれど、写真はどちらもクロシドライト。
色は左の青で、右の繊維状ってところかな。

ただ、リーベック閃石は角閃石グループのひとつで、含んでいる成分が徐々に変化していくと別の角閃石になる。
そういう性質上、ひとつの石の中で成分に偏りがあったりする。
偏りがあると色も変化するから色むらが生じやすい。
もちろん自然のものなのだから、それはクロシドライト・イン・クオーツの特徴なのだ。


その3
アエリナイト・イン・クオーツ

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※画像はウィキペディアより


変な形!
こんな形の水晶大好き。
って、形じゃなくて色なんですけど、写真じゃあまり色が判らないね。

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※画像はウィキペディアより

これなら青っぽい色はわかるけど、いまいちキレイかっていうと、ちょっとビミョー。

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※画像はウィキペディアより


アエリナイト本体がこれ。
これがそのまま入っていれば、さぞかしキレイな青水晶なんだと思う。


その4
ブーランジェ鉱入り水晶
(なぜかこれだけ日本語。深い意味はありません)

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※画像はウィキペディアより
 

針状の鉱物がブーランジェ鉱(ブーランジェライト)。
こ、これは青いのか? どうなんだ?
私はブーランジェ鉱入り水晶は青水晶だというふうに聞いていたんだけれど、この写真を見る限り青なのか?

ちょっと無責任な書き方をしているのは、私はまだこの石を見たことがないからだ。
見たことがないのに紹介するのはどうかとは思うのだけれど、青水晶の中では
比較的知られている石らしいからいいことにしよう。

で、この石は水晶だけではなく、カルサイト(方解石:ほうかいせき)や
フローライト(蛍石:ほたるいし)に入っていることも多い。
もし、それらに針のようなものが入っていたら、ブーランジェ鉱の可能性が高いよ。


と、ここまで紹介したところで、もうみなさん気がついていると思うのですが、
これらの青水晶はすべてインクルージョンによる発色なのです。

水晶は純粋なものはまったくの無色。
その水晶に色がつく原因として2通りのことが考えられる。

ひとつは紹介したように、水晶の中に他の鉱物が入り込み、その鉱物の色で発色するもの。
もし、水晶とその鉱物を分離することが出来るとしたら、水晶はまったくの無色なのだ。

そして、もうひとつは水晶の分子の一部が鉄やアルミの原子に置き換わり、
それが元で発色するもの。
このパターンの水晶は水晶自体が紫や黄色に色づいている。
もちろん、どう頑張っても分離できない。

そう、この後者のような、真の青水晶はないのか!?
○○・イン・クオーツではなく単純にブルー・クオーツといえる青水晶はないのだろうか。

そこでさっそく文献をいろいろ調べてみたところ、ないわけではないらしい。
過去にブラジルで青石英がほんのわずか産出したことがあるそうだ。
写真も見たのだけれど、んー、濃い紫水晶からちょっと赤みを抜いただけのように見えて、
スッキリとした青ではなかった。

それなら人間の手の加わったものならあるんじゃなかろうかと思ったのだけれど、
これもまたほとんどない。

グリーン・クオーツならあるんですよ。
緑水晶。
アメシストを温度を変え数回加熱処理するとグリーンに変色する。
ほら、グリーン・アメシストってあるでしょ。

ただ、ブラジルの一部からわずかに産出するアメシストのなかに、
数回の加熱処理と高エネルギー電磁波照射をおこなうとブルーになるものがあるらしい。

なんか大変そう。
んー、そうまでして青にしたいの? なんて、思ったり思わなかったり。

ところが、さらに調べてみると合成水晶としてはブルー・クオーツはすでに作られていたのだ。
コバルトや鉄、アルミを上手に配合して作るそうなのだけれど、これはキレイだったな。
天然でどうしても出来ないんだったら、合成でもいいからひとつ欲しいところ。
ま、合成の難点はポイントの形にならず板状に出来上がるってところだけれど。
でも、それはそれで持ってたら自慢できそうだ。
いつかはこれらの処理も簡単に出来るようになって、いつか店頭にたくさん
並ぶようになる日が来るんだろうか。

そんなわけで、インクルージョンによる青であっても、合成であっても青い水晶は美しいと思う。
この青水晶、レアなだけに本気で集め始めたら、涼しくなるどころかさらに熱くなっちゃうかもね。
 

【第78回】珪化木

2011年8月 1日

先日、小田原にある県立地球博物館を見に行ってきたんですよ。
この博物館、恐竜の化石や鉱物もたいへん充実していて、
夏休に入ったばかりの子供たちがそれらの展示物に群がってましたね。

もちろん、その子供たちはライバルです。
って、ちょっと大人げないですか。


そんな博物館の1階に巨大な珪化木がドーンと横たわっているスペースがあるのです。
ところが、なぜかそこにはあまり子供たちがいない。
ハデな色の鉱物に比べて珪化木は地味だからかな。
何人かはいるんだけど、またがって遊んでいたり、座って休憩しているって感じ。


ふふふ、甘いな。


珪化木こそその姿に自然の偉大さを見ることが出来るのだ。

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※画像はウィキペディアより

写真は地球博物館の珪化木ではないけれど、大きさは同じくらい。


ところで、前回の続きっぽくなるけれど、石英って、
いやいや正確には二酸化珪素ってやっぱりすごいなって思うんだ。

地球上でもっとも多いということもあって世界中でその鉱物は見つかるけど、
水晶にもなるしメノウにもオパールにもなる。
さらにガラスとして私たちの生活に欠かせないものだったりもする。

そのスゴイなって思う理由のひとつに、二酸化珪素には
「染み込む」っていう性質もある。
染み込むって、ちょっとピンとこないかもしれないんだけど、
植物など有機物の細胞の中にまだ石化していない
二酸化珪素が染み込むということ。


例えば樹木が倒れ土に埋まる。

その土が十分な二酸化珪素を含んでいた場合、
長い年月をかけ細胞の水が抜け二酸化珪素がかわりに染み込み、そして固まる。


要するに木が化石になるわけだ。
それが珪化木(けいかぼく)。

植物の細胞をそのまま残して石化しているのだから
年輪とかがそのまま残っている。
キレイな珪化木はまんま木にしか見えない。
木だと思って持とうとするとズッシリ重い。

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※画像はウィキペディアより


これは兵庫県で発見された珪化木。
こんなに美しいものなら、このまま飾っておきたいね。


話は戻って、なぜ珪化木が自然の偉大さを見せてくれるのか。
それはその珪化木を観察すればすぐに判る。
珪化木は二酸化珪素なのだ。
単に木が石になっているだけではない。
まるで木にしか見えないその隙間に何かがたくさん立っている。
森の中で朽ちている木にはえているのはキノコだけれど、珪化木にははえているのは水晶だ。 
探せば水晶はあちこちに立っている。

さらに部分的にメノウになっているところもある。
同心円上の縞々が何か所にもあり、その中心には小さな水晶が密集している。

さらにさらに、ところどころ真っ白くなっている部分もある。
これはオパールだ。
残念ながら七色の遊色は見られないけれど、
この珪化木を輪切りにしたなら、もしかすると中心近くに
遊色を持ったオパールがいるかもしれない。 

そう、珪化木は珪化木というひとつの石の中に、
二酸化珪素がとるいくつもの形態を見せてくれるのだ。
こんなにすごいことが起こるのは二酸化珪素が
染み込むことで作られる珪化木しかあり得ないと思う。

(※上記は、珪化木を手にしたときや、博物館に行ったときに探してみてね!)


さて、その珪化木、一般的にウッドジャスパーって呼ばれているけど、
実はそれは日本語。日本でしか通じない和製英語。
正確にはペトリファイドウッド(石化された木)という。
このペトリファイドという単語は覚えておく必要があるけれど、
簡単に憶えられる単語じゃないよね。

それに、やっぱり私も日本人。ウッドジャスパーの方が何だかしっくりくる。
だから正式名称ではないと知った上でウッドジャスパーと呼ぶならば問題ないと思う。


珪化木は基本的に日本中どこででも見つけることができるんだけど、
やはり一番探しやすいのは海岸とか河原じゃないかな。

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※画像はウィキペディアより


珪化木は年輪が模様として残っているものが多いから、
上の写真のように線が入っているものは珪化木である可能性が高い。

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写真は岩手県久慈市の海岸で見つけた珪化木。
実はこれ以外にもたくさん落ちていた。
一番それとわかりやすく、大きさ的にちょうどいいものとして、
ひとつだけ持ってきたのがこれ。


それと岐阜県には土岐石(ときいし)といって
特別に名前のついている珪化木がある。
けっこうな人気で探している人が大勢いるらしいよ。
色だって緑、赤、黄色とけっこうカラフル。


季節は夏。海へ山へ行くのなら、ぜひ珪化木を探してみてね。

 

 

【第77回】めのう

2011年7月 1日

sekiei.gif           
上の図は第26回の記事で書いた石英グループの分類です。
正確には二酸化珪素で出来ている石のグループなんだけど、
二酸化珪素っていうと何だか難しくなっちゃうから石英グループってことにしています。

で、この図でいいたかったことは玉随(ぎょくずい)グループが何だかやけにヤヤコシイってこと。

詳しいことはこの時の記事に書いているんで、またあらためて読んでみてね。

(2008年3月の記事だよ)

さて、この玉随グループの中でもっとも人気があるのは間違いなくメノウなんだけど、
実はメノウってとっても地味だと思うのです。

結晶鉱物でないメノウはハッキリと決まった形があるわけではなく、
表面から見ているだけでは特徴的な縞模様が見えない。
あの縞々が見えないんじゃメノウの良さは完全に隠されているといってもいいくらい。

ところが、カットや研磨など加工されビーズやコースターになると、
その魅力が10倍にも20倍にもなってしまうのがメノウのスゴイところ。
あの縞々を生かした天眼石やアイアゲートなんかは、よくぞメノウの魅力を
ここまで引き出してくれましたと感謝してしまうほどなのです。


ところで、メノウの縞々ってなんで縞々になるんだろう。
ちょっと不思議に思いません?

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※画像はウィキペディアより

そこで調べてみるとリーゼガング現象なるものがあることがわかった。
例えば、2種類の液体を混ぜると普通は2層に分かれるよね。
水と油が分かれるように、ラーメンのスープの上にしっかり油が浮くように。

ところが、その2種類の液体が、サラサラではなくドロドロジェル状だった場合は
単純に2層に分かれるわけではないらしい。
もちろんいろいろ条件はあるらしいのだけれど、なんとそれらが反応して、
さらに反応して出来たものが縞状に沈殿するのだそうだ。
 

77_liesegang_wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

写真はリーゼガング現象実験の写真。
見事な縞々。
メノウの縞々の原因はこのリーゼガング現象だとされている。

ちなみに、帯状になったものをリーゼガングバンド、同心円状になったもの
をリーゼガングリングと呼ぶらしい。


話は変わって、そんなメノウを一度だけ採集に行ったことがある。
採集を始めて間だまもない頃、産地で出会った人にもらったメノウが
何とも不思議な感じのメノウだった。

77_sn1.jpg
画像はウィキペディアより

もう豚の背油に見えて仕方がないけれど、いちおうサードニクス(赤縞メノウ)。
茨城県を流れる久慈川の支流にたくさん落ちていると聞いてさっそく採りに行ってみたのだ。
 
結論からいうと、だいたいの場所しか聞いていなかったため、
その場所にたどり着くことも出来ずメノウを自分たちで見つけることは出来なかったのだけれど、
なんと道に迷っている途中でもっと珍しいメノウを見つけることが出来たのだ。

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これは仏頭状メノウ(ぶっとうじょうめのう)と呼ばれるとても縁起のいいメノウ。
ポコポコしている部分が仏様の頭のように見えることからこの呼び名がついた。
さすがにこれをビーズにすると意味なくなるよねえ。

これを見つけた沢はホントに誰も探していなかったらしく、
拳ほどの大きさのものがバケツ一杯ほども簡単に集められた。
ちなみに、本当に行こうとしていたサードニクスの産地はその沢の上流だったらしい。

で、ここでひとつ注意があります。
正直、この仏頭状メノウってメノウじゃないよねえ。
だって、縞々がないもの。
どう見ても玉随(ぎょくずい:カルセドニー)なんだよね。 

にも関わらず、玉随をメノウと呼ぶことがしばしばあるのです。
でも、これは単に呼び方だけのことだから、深く考える必要はありません。
ああ、そうなの。くらいですませてくださいね。

こんな感じで、どう見ても玉随なのにメノウと呼んでいるものが他にいくつかある。

・モスアゲート
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画像はウィキペディアより

緑泥石(りょくでいせき:クロライト)など別の鉱物が入り込んでまるで風景のように見えるものもある。
ガーデンクリスタルと同じ系統。 
アゲートとは呼んでいるけど、やっぱりカルセドニーの方じゃないのかな。


 
・ファイヤーアゲート
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この石は不思議だよ。

表面に丸い模様が見えるけど、この模様は表面にはない。
1ミリか2ミリほど中にある模様が透けて見えている。
この模様がまるで今にも溶岩がボコッと吹き上がる瞬間のように
見えることからファイヤーアゲートなのだと思う。
でも、やっぱりカルセドニーじゃないのかなって思ってます。


これらを見ていくと、メノウと玉随は意外とハッキリとした線引きがされていないような感じがする。
でも、どの石も多かれ少なかれそういうところがあるから、
本に書いてあったというのはあまり気にせずに、自分なりの基準を持つのがいいと思うよ。


 

【第76回】エピドート

2011年5月30日

    エピドートとペリドットは似ている!

何が。
名前が!!

私は石に興味を持ち始めの頃、このふたつの区別がつかなかった。
エピドートをエピドットだと思っていたし、ペリドットをペリドートだとヘーキでいっていた。
リチア輝石をリシア輝石といったりもするように、ドートとドットは発音の違いでしかないと思っていた。
エピとペリが頭から違うじゃないかといわれてもしかたがないけれど、そのころの私はドートとドットばかりが気になって、どっちがエピでどっちがペリかまったく憶えられなかったのだ。

私のように「似ている!」と思っている人って、結構いるんじゃないのだろうか。

そんなわけでエピドート(緑簾石:りょくれんせき)です。
ペリドット(橄欖石:かんらんせき)についてはここまで。お疲れさまでした。

それにしても日本名で書くとまったく別物だってわかるね。
これなら間違えないし、さらに「簾」がつく石は同じグループの仲間だってのもわかる。
さすが日本語、漢字って素晴らしい!
といいつつ、初めは緑簾石も橄欖石も読めなかったんだけど。

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※画像はウィキペディアより

さて、鉱物としてのエピドートは日本名で「簾(すだれ)」の文字がつくように、その結晶に特徴がある。
条線というには彫りの深すぎる線が結晶の「縦方向」に何本も真っ直ぐに入り、まるで簾のように見える。そして主成分のひとつである鉄によって深い緑に発色している。
だから緑簾石。見たまんま、そのまんまの名前。
中には一本の細長い結晶が何本も平行連晶しているんじゃないかと思うくらいのものもある。
でも実際には連晶しているように見えるだけで連晶していない。あくまでもそう見えるというだけでひとつの結晶なのだ。   

ところがこの結晶、鉱物的には重要なのだけれど見た目には地味な、でも「へー」と思ってしまうような特徴がもうひとつある。

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※画像はウィキペディアより

実はこの写真、結晶的には横倒しなのだ。

普通、結晶って縦長なら縦方向に成長するものじゃないですか。
でも、エピドートは横方向に成長するんですよ。
だから、縦長じゃなくて横長の結晶なんです。
彫りの深い条線も水晶と同じ横に入っているってことになるのかな。
何行か上に「縦方向」とカッコに入れて書いたのはそのため。

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※画像はウィキペディアより


正しくはこう見るのが正解でしょう。

19世紀にはスイスでものすごくたくさん産出し宝飾品にも加工されたエピドート。もちろん現在も産出はするのだけれど、その一帯が保護地に指定されてしまっているためすでに採掘はされていない。
しかし、基本的には世界中で産出する石だから、供給不足になることはこれからもないだろう。


ところで、エピドートで出来ているとってもおもしろい石があるのをご存じかな。
出来ているというか含んでいるというか、入っているという感じなんだけど、日本にとてもゆかりのある石。

長野県の武石村(たけしむら:現上田市)というところでしか見つかっていない石。

その名は「やきもち石」。

武石村にはこぶし大のまん丸い石がたくさん落ちていて、それは火山の噴火が原因で出来た石なのだけれど、それを半分に割ってみると中は空洞でそこに緑色のアンコが入っていた。

その緑のアンコこそがエピドート。

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この写真は長野に住む石友が採集したやきもち石。
白い結晶は水晶。
真ん丸のやきもち石は過去にはたくさんあったらしいのだけれど、現在はこれが精一杯なんだそう。
それにしても長野県なんだから、やきもち石よりも「おやき石」の方がしっくりくるような気もするけどね。


それではおしまいに、みんな仲間の「簾」のつく有名どころの紹介です。

灰簾石(かいれんせき)
青くなったらゾイサイト。さらにキレイになるとタンザナイト。
赤くなったらチューライト。

意外だけどタンザナイトとエピドートはお仲間なんですよ。
 
 

【第75回】透輝石

2011年5月 1日

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世界中のあちこちで産出するにも関わらず、古代の剣のような結晶に
育つのは我が国日本だけ。
しかも、日本ならどこでもというわけではなく、日本のさらにピンポイントの、
ある一か所だけでしか結晶にならない。

ダイオプサイド(透輝石:とうきせき)。

鮮やかな新緑から深い緑の色を持つこの石はビーズにも加工され、意外とメジャーな部類に入る鉱物。


さて、ここで重要なのは日本以外ではこんな結晶は育たないという事実。
なぜか、と訊かれても返答に困るけど、ネットで透輝石の結晶を探してみても
日本産以外でこの形を見つけることはできない。

ビーズとかになったりしている透輝石の原石は細かい結晶が塊として産出しているもの。
それを削りだしている。
だからビーズの多くはキレイな緑だけれども透明感のあまりない石って印象がある。
でも、ときおり大きめの結晶が含まれていることがあって、それがビーズになったりすると、
まるで違った石に見えるくらい透明度の高いものになる。


そして世界で唯一のその場所は岐阜県なのだ。
岐阜県関市。
旧洞戸村にある洞戸鉱山がそこ。
林道脇に流れる沢をゆっくり10分ほど遡るとそこに坑道が開いている。

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(林道の脇にはこんな立て看板が。洞戸の下が消されているのは洞戸村が関市と合併したため)

もちろんその坑道に入るような危険なことはしない。
坑道入り口付近の土をフルイに入れ、沢でフルイがけすればその中に
キラッと光る緑の剣が見つかるのだ。

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ほとんど水はないけれど、いちおう沢。ここから沢が始まっているところ。
この右斜め上あたりに坑道が口を開けていて、斜面の土の中に透輝石が隠れている。
 
75_s2.jpg

こんな感じでフルイがけ。
けっこう見つかる。

実はまだ2回しか行ったことがないんだけれど、クラスターも見つけられたりしてかなり楽しいところだよ。

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ところで、以前にこの透輝石になぜ「透」という字が使われているのか。
わざわざ強調しなければならない理由でもあるのだろうかと思い調べてみたことがある。

すると、透輝石とほとんど成分が違わない、日本全国から産出する
灰鉄輝石(かいてつきせき:ヘデンバージャイト)という石があることが判った。
 
透輝石はカルシウムとマグネシウムを主成分としているのだけれど、
そのうちのマグネシウムが徐々に抜けて鉄に置き換わっていくと灰鉄輝石になる。
このふたつの石はグラデーションのように移り変わっていくため「ここまで」「ここから」
といった明確な線を引くことができない。

75_kai.jpg

写真でも判るとおり、似ているのは色だけで形もまるで違うし光も通らない。
それでも成分が非常に似ていることから当初は同じ石に分類されていた可能性がある。
しかし、明らかに見た目の違うこの石に「違っているのは透明なところだ」とばかりに、
「透」を強調した名前をつけたのが透輝石だったのだ。
もちろん私の想像だけれど、きっとそうに違いないのだ。


灰鉄輝石という名前が出たところで、何か気になることはないかな?
透輝石と灰鉄輝石。
輝石って何? っていうこと。

鉱物の名前って、とくに日本語では主成分が違っても分子の並びが同じなら同じ種類として
共通の名前がつけられる。
「透」とか「灰鉄」とかがファーストネームで輝石がファミリーネームってとこかな。
だから、けして輝いている石という意味ではなく、その分子の並びを持った石を
輝石と呼びましょうとしただけ。

でも、なぜそれが輝石という呼び名になったのか。
んー、たぶん、最初は輝いて見えたんじゃないのかな。


というわけで、輝石グループの石は他にもいろいろあるのです。

・ヒスイ輝石(ジェダイト)
・オンファス輝石(オンファサイト)
・コスモクロア輝石(コスモクロア)
・リチア輝石(スポデューメン:クンツァイト)
・普通輝石(ふつうきせき:オージャイト)
・頑火輝石(がんかきせき:エンスタタイト)


これらはけっこう有名どころかな。


ちなみに、バラ輝石(ロードナイト)は輝石とついていますが、
研究の結果、なんだかちょっと違っていたようで、輝石グループではないそうです。
でも、今さら名前を変えられないということでバラ輝石のまま。どうぞこれは憶えておいてください。


それではお終いに、この透輝石、本来の色は無色。
緑はわずかに含まれるクロムによるもの。
だけど、さらにクロムが増え鮮やかな緑になっているものをとくにクロム透輝石、
またはクロムダイオプサイドと呼んでいる。

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                            ※画像はウィキペディアより

透輝石とクロム透輝石

ちょっと暗めな緑の透輝石。鮮やかな新緑のクロム透輝石。
これは好みの分かれるところかもしれないな。
さてみなさんはどちらの透輝石がお好みですか?
 

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