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地球のかけら

【第65回】ペリドット

2010年7月 1日

ペリドット、新緑のそれは見る人の心を癒し、その緑に吸い込まれそうになってしまう。

65per1.jpg

写真はカミさんコレクションのペリドット。
細かい結晶の中にひとつ大きな結晶がドンと載っている。
だいたい2センチくらいの大きさなんだけれど、ペリドットの結晶は大きく育ちにくい。だからこのくらいの大きさでもけっこう希少らしい。

大きく育たない原因は火山が噴火して溶岩が急激に冷えて固まった中に含まれているからだそうで、とにかく急激に冷えると細かい結晶しか育たない。
だから基本的にペリドットの結晶はどれも細かい。たまにゆっくり固まった溶岩のなかにいたペリドットが大きく育つことがあるそうだ。
ミャンマー産のペリドットがそれで、比較的大きな結晶が多く産出する。しかしそれらはほとんど宝石用に取り引きされていて、なかなか鉱物として市場には出てこない。
 

ミネラルショーなんかに行ってもペリドットの結晶というと砂のような細かいものばかり。2センチ程度の結晶すらほとんど見たことがない。
大きな結晶を見つけたら、買い物リストに入れてもいいと思うよ。もちろん予算次第だけど。
ちなみにカミさんのペリドットは1200円。掘り出し物だったと大喜びでした。
(さらにちなみにアナヒータで買いました)

※ペリドットファンならぜひとも手に入れておきたいパラサイトという石がある。
第10回隕石のところで紹介しているから、そちらも見てね。

65p3_wiki.jpg※画像はウィキペディアより

さて、このペリドット、ペリドットという名前はあくまでも宝石名。
鉱物名はオリビン、和名は橄欖石(かんらんせき)。
オリビンというのはその色がオリーブの実に似ているからその名前がついた。
和名の橄欖もそういう名前の植物があって、その実がオリーブに似ていることから明治の学者さんがその名前をあてたそうだ。

ところが、そのオリビンという名前も直接ペリドットのことを指していない。
オリビンはオリビングループの総称で、その中に苦土橄欖石(くどかんらんせき:フォルステライト)、鉄橄欖石(てつかんらんせき:ファヤライト)などいくつかの種類がある。そのなかで苦土橄欖石だけをペリドットと呼んでいる。

色の原因としては、本来無色の苦土橄欖石に微量の鉄が混じることによって緑に発色している。
鉄の割合が増えるとどんどん色が濃くなり最終的には真っ黒になって鉄橄欖石になる。
色の濃い薄いは鉄の量の違いだね。

65p4_wiki.jpg
※画像はウィキペディアより

ペリドットが最初に発見されたのは紀元前。
古代エジプトのファラオ、プトレマイオス1世のお妃様に献上されたという記録が残っているから、最低でも紀元前300年ごろには発見されていた。
場所は紅海に浮かぶセントジョーンズ島。
そこでちょっと注意なんだけど、そのセントジョーンズ島、過去にはトパゾン島と呼ばれており、トパーズが見つかった場所だと勘違いしている人がたまにいる。
まあ、確かにトパーズの語源なんだけれど、今現在その島に行ってもトパーズはひとつもなくペリドットがたくさんある。
要するに、過去においてペリドットはトパーズと呼ばれていたってこと。
でも、残念ながら現代のトパーズといつどのようにして名前が入れ替わったのかは不明。

ところで、知ってます?
ハワイにはペリドットでできた海岸があるんですよ。
その名もグリーンサンドビーチ。
ハワイ島のサウスポイントというところにある海岸で、一面ペリドットの砂に覆われた緑色の海岸。

65psn.jpg

どう?
8割方ペリドットって感じでしょ。
この砂でできた海岸に行ってみたいよねー。


緑色の石はたくさんあるけれどペリドットの緑はペリドットだけのもの。他に変わる石はない。
たとえエメラルドでもペリドットの代わりにはならないのです!

って、ちょっと大げさすぎですか?
すぎですよね。
さすがにエメラルドとペリドットを並べられたらエメラルドを選んじゃいますよね。

でも、ちょっとまってください。
エメラルドは宝石の女王と呼ばれ、その価値を知らない人はたぶん誰もいない。
誰もが高価だと知っている。だからエメラルドを選ぶんじゃないんでしょうか。

想像してみてください。もし、そのような先入観が全くなかったとしたら……。
もしかしたらペリドットを選ぶ人の方が多いかもしれませんよ。

 

 


 

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