大変です! 大変です! 大変なことが起こってしまいました。
カミさんが歩けなくなってしまったのです。
医者に見せたところ右ヒザの靱帯にキズがついているってことでした。
原因はヒザの使いすぎ。急な斜面を登ったり、採集のため無理な姿勢で長時間ふんばっていたことがヒザに負担をかけていたのだそうだ。
急斜面を登るなんてもってのほかと先生にいわれた。当分の間は動いてはならないんだそうです。
そういわれたとき、カミさん泣いちゃいましたよ。
だって、虫もいない、植物も育ってなく歩きやすいもっとも鉱物採集に適した季節を家でおとなしくしてなきゃならないんだから。
ところがカミさんはたくましかった。家に帰ってひと言。
「急斜面に行かなきゃいいんでしょ」
おおっ! いいのか?! それで。
たくましいのとはちょっと違うかもしれない。
しかしまあ、カミさんの気持ちを尊重しよう。
とすると、坂道のない、急斜面のない、さらにいうならほとんど歩かなくてもたどり着ける産地はあるのか。
そういう産地、実はいっぱいあるんです。
ほら、私たちってもともとナマクラモノだから、そういう産地にはとても詳しいんですよ。
いつも行っている岐阜県中津川市のトパーズ産地なんか徒歩1分だし、同じく南洋美人と呼ばれている煙ファントム水晶の産地も徒歩1分だ。
それらいくつかの産地の中で、一番楽そうな産地というと石川県小松市。ここは家からも近いし、なんといっても紫水晶の産地ということが重要。

これは昨年この産地で採集した紫水晶のクラスター。私たちの中では2008年度ナンバーワンの紫水晶。
大きさは手のひらサイズだけど、この産地の特徴をすべて持っている。

ほ、ほこりがついてますけど、見えないことにしてください!
フツー水晶といえば断面が六角形なのだけど、ここの水晶は三角形に見える。柱面が一面おきにむやみに小さくなっているなっているためにそう見えるだけで、目を凝らしてみるといびつな六角形であることがわかる。パワーストーン的にはかなりレアなはずだよ。
こんなのが多いんだ、ここは。

続いてこれ。
いちおう……、セプター……かな?
キュッと首がしまって、その上にちょこっとタマネギみたいな頭がのっている。どちらかというとネギボウズだ。
この形もこの産地以外では見たことないなあ。
そしてこれ。
これはよくあるタイプなのかもしれないけど、ハリネズミみたいでカワイイじゃないですか。

ふたたび全体像。

すべてが一様に紫というわけではない。無色透明の中に紫がにじむように入っている。この入り方が日本産紫水晶の特徴なのかもしれない。
これらがひとつの母岩の上で風景を作り出している。私にはまるで日本庭園のように見えるんだけど、みなさんはどう?
今年はカミさんの故障もあって、あちこちの産地にはそうそう行けないかもしれない。その分、小松に通ってこの紫水晶を越えるものを見つけたいなって思ってます。
これから梅雨まで鉱物採集をするのには本当にベストな季節です。自らの手で石を見つけることに興味のある人、軽い気持ちでかまいません。ちょこっとフィールドに出かけてみるのはいかがでしょうか。
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新年度になって新生活が始まりましたね。
新入生のみなさん。新社会人のみなさん。ご入学ご就職、おめでとうございます。これからの生活がみなさんにとって幸多いものとなりますようお祈り申し上げます。
妻・くみ子の趣味に無理矢理つき合わされた形で始めた宝探しにハマッてしまい、その紀行文を小学館のアウトドア雑誌BE-PALに連載。素人でも採取可能な天然石の採集紀行や石の選び方・魅力やそれにまつわる幅広い知識を生かし活動の幅を広げている。
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