【第23回】ガーネットグループ一挙公開!

2008.02.01

前回に引き続きガーネットの特集だよ。

まず最初に紹介したいのはアルマンディンガーネット。日本名:鉄礬石榴石(てつばんざくろいし)。

鉄とアルミニウムを主成分としたこの石は、私たちが初めて採集した記念すべき石。

アルマンダインとかアルマンダイトとも呼ばれたりする。

アルマンディンガーネット
見て、この深い赤。

パッと見には黒っぱい地味な石だけど、光を通すとこんなにすばらしい赤になる。
そしてこの形。24の面を持つ丸っこい結晶はこれぞガーネットという形。
手のひらにのせてコロコロしたらカワイイのなんのって。

このアルマンディンは特に日本中いたるところにある。
しばらく前、地元の川で砂金を探したとき、砂金はサッパリだったにもかかわらず、このアルマンディンが大量に見つかったことがあった。




つづいて、次はスペサルティン。

スペサタイトとも呼ばれるこの石の日本名は満礬石榴石(まんばんざくろいし)。
マンガンとアルミニウムが主成分のこの石は基本的にキレイなオレンジ色をしている。

スペサルティン

写真は以前紹介したパイロクスマンガン石を産出する愛知県の田口鉱山で見つけたもの。


今のところ、この産地ではどんなに大きくても5ミリくらいのものが最大。昨年1センチ級を見つけたっていう話も聞いたけど、この色のままで1センチもあるんだとしたら、それはみごとだ。私も絶対に欲しい。

そしてもうひとつ。

長野県の諏訪湖近く。和田村(現長和町)で採集したもの。

スペサルティン
スペサルティン

この石は見たとおり真っ黒。

マンガンかアルミニウムかわからないけど、どちらかが多すぎて色が濃くなりすぎた。
でも、この黒さっぷりがみごと。


この産地の特徴は信じられないくらい結晶面がなめらかでシャープなこと。確実に自分の顔が映ります。


さらに、よーく見ると、細長い六角形の小さな結晶面がわかるだろうか。
これもガーネットにはよくある結晶面。これをあわせて36面体となる。


人気のマンダリンガーネットはここに分類されるよ。




それでは赤系統ラストとしてパイロープ。日本名:苦礬石榴石(くばんざくろいし)。

マグネシウムとアルミニウムを主成分としている。

写真は愛媛県新居浜市産。

パイロープ(12面体)

母岩になっている石はエクロジャイトといって、これもまた貴重な石であるのだけれど、とりあえず今回は省略。

実はこれこそが、一般的なガーネットの代表。なぜなら宝石店で売られているロードライトガーネットこそがこのパイロープだからなのだ。
 
ロードライトガーネット


さらに、すでに絶産しているけれど中世ヨーロッパで貴重とされていたボヘミアンガーネットも。
そしてこの色をガラスで再現しようとしたのがボヘミアングラス。
教会のステンドグラスの赤もボヘミアンガーネットの赤を模しているんだよ。


色の特徴としては、結晶の中心部がピンク。外にいくにしたがって赤が強くなってくる。
きっと、私たちが持っている結晶もそうなんだろうけど、割って確認する勇気なんてありませんから。




ここまで紹介してきた赤系統のガーネットを3種類紹介してきたけど、これらのガーネットは成分の量が連続して変わっていっている。

ちょっとわかりにくいんだけど、アルマンディンの鉄が徐々に減りその分マグネシウムが増えていくと、いつのまにかパイロープになっているということ。
宝石のロードライトも実際にはアルマンディンとパイロープの中間にあるんだよ。




さて、次からは緑系統のガーネット。

しばらく前まで緑系はアンドラダイト以外日本では採れないと思っていた。
ホントに数が少ない。私が知らないだけかもしれないけど産地も少ない。




そんな中、まずはグロッシュラー。日本名、灰礬石榴石(かいばんざくろいし)。

この石も日本で見つけることができるなんて思ってもいなかった。でも、ちゃんと採集してきましたよ。


場所はやはり岐阜県。洞戸村(ほらどむら:現関市)にある洞戸鉱山。見つけられる場所はかなり狭く、テニスコートの半分くらいの広さしかない。しかし、そこをよく見ると、小さいながらも緑のグロッシュラーがあちこちに散らばっていた。


どんな石もそうなんだけど、ここのグロッシュラーも小さければ小さいほど色がキレイ。大きくなるとヒビが入ったり濁ったりして、なかなかキレイなものがない。

グロッシュラー

グロッシュラーは他にツァボライト、トランスバールジェード、ヘソナイトなどの名前をつけられて売られているよ。





続いてウバロバイト。灰クロム石榴石(かいクロムざくろいし)。

この石は私たちはまだ採集したことがない。石友から長野県産のものを1個いただいて持っているだけ。しかも残念ながら皮膜状。ガーネットの結晶が出ていない。


でも、それは仕方がないんだ。外国産のウバロバイトを見ても結晶はものすごく細かい。その上、高い。
「えー、こんな小さい結晶に、こんなにお金払うのヤダなー」って思うくらい。
なかなか大きな結晶に育たないんだろうな。

ここは色を楽しむということでしばらくは我慢したいと思っているよ。

ウバロバイト(緑の部分:皮膜状)


最後にアンドラダイト。(灰鉄石榴石:かいてつざくろいし)

このガーネットは上記の2つに比べると、けっこういたるところにあるような気がするなあ。結晶大きいし。
で、アンドラダイトの一般的な代表といえばデマントイドかな。これはものすごくキレイ。カット研磨され宝石店でも指輪になって売っているよ。


ところで、デマントイドはあくまで一般的な代表で私たちはもっと別の代表があると思っている。日本で採れて世界に誇れる、ものすごいアンドラダイト。



それは通称レインボーガーネット!
 

表面が七色に光るこの石は世界にもほとんどない。一般的にいうレインボーは結晶のヒビに光が干渉して見えるものだったけど、このガーネットはヒビなんかなくても結晶自体がレインボーを発生する構造になっている。



それまではわずかにレインボーを示すものがメキシコでほんのちょっと産出していただけだった。希少すぎて値段なんか付けられなかったくらい。そして絶産。今はもうない。誰もがレインボーガーネットは夢か幻だったと思っていたんじゃないかな。
 

ところが、それが日本で見つかったのだ。しかも大量に。


さらにレインボーの出方がメキシコ産とは比べものにならないくらいハッキリと大きかった。たぶん世界中が驚いたはずだ。



もちろん私たちも指をくわえて見ているわけにはいかない。

以下は採集したもの

レインボーガーネットレインボーガーネット


アンドラダイトには他にトパゾライト、メラナイトがあるけど、私はこのレインボーガーネットをこそ代表にしたいと思っている。







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ちょっと宣伝。

私たちのホームページで「鉱物写真集CD」を作って売っているんですけど
このレインボーガーネットを、購入していただいた方全員にプレゼントしています。
1000円です。もしよかったら買ってね。


詳しくはこちら

レインボーガーネット


ガーネットっていろいろな名前を付けられて売られているから、
ものすごくたくさん種類があるように思っている人がいるかもしれないね。

でも、それぞれの主成分をしらべてみると、そのほとんどが
今回紹介した6種類のいずれかになる。





それでは、また次回。
受験を控えている人たちはいよいよ大詰め。
体調管理に気をつけてガンバってくださいね。

 

 

プロフィール

妻・くみ子の趣味に無理矢理つき合わされた形で始めた宝探しにハマッてしまい、その紀行文を小学館のアウトドア雑誌BE-PALに連載。素人でも採取可能な天然石の採集紀行や石の選び方・魅力やそれにまつわる幅広い知識を生かし活動の幅を広げている。

著書の紹介

宝石・鉱物おもしろガイド
消費者の立場から見た初の本。鑑賞から採集までわかりやすく解説。これ一冊あれば宝石のすべてがわかる!!鉱物採集のための産地の情報付き。
(税込み1,680円)
週末は「婦唱夫随」の宝探し
小学館のアウトドア雑誌「BE-PAL」に14回にわたって連載していたものの単行本化。宝石はブラジルやスリランカなど、一部の国からだけ産出するわけではなかった。日本産の宝石を求め、軽自動車で全国を旅する。「宝石大好き」というだけの単なる主婦が、ダンナを引っ張り回し宝石を探し当てていく。
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アナヒータ各店で発売中
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